修業時代 作品



思 い 出 話
 1997年 「 鹿児島市新高麗橋ポール灯照明 」
薩摩ガラス工芸での切子制作の思い出の一つとして「 新高麗橋ポール灯照明 」があります。鹿児島市内を流れる甲突川に架かる新高麗橋。そこに取り付けたポール灯照明のガラス部分は重さ9キロもある筒型のガラスを加工するというものでした。切子文様はホブネイルとよばれる太い斜め格子の中に八方に伸びた八菊文と亀甲文で少し大柄でしたが、重量があるので持久力が勝負の作業でした。主に削りの最初の工程荒ずりをほとんど1人でまかされ、かかった個数は20数個。重量級(特大花器など)のものに切子を入れる場合、天井から紐・ゴムで吊ったりすることありますが、今回の場合荒ずりでこの方法をとると非常に時間がかかり、やりにくいと判断した結果での事でした。制作にかかって4分の1過ぎたある日、作業中右手首あたりに「 ビリッ 」という痛みを感じたがそのままその日は制作を続け、あくる日は休日で手を休めることが出来た。次の日朝起きてみるとやはり痛いので病院に行ってみた所、「手に疲労がきているのでしばらく制作はやめた方がよい」と診断され最後まで充分に制作できなく「 あともう少しのところで・・・ 」と、思った事を記憶として覚えています。あれから10年経ち甲突川に架かる高麗橋を通るたびに眺め、制作していた時のことを思い出します。今もなお20個の切子は煌々と光り輝いています。    2005 . 5 . 17
 1998 切子花器 「 みなわ 」
薩摩ガラス工芸での切子制作のもう一つの思い出に切子花器 「 みなわ 」があります。作品展に時間的余裕が無く、通常の制作業務を終え、夕方6時から11時過ぎまで10日間、夜中2時までを1週間、その他休日などを利用してなんとか仕上げることができました。作業中は途中少し休憩をとりますが、集中度を上げて夜中までの作業は、頭がふらふらなり眠気と戦いながら体力的にも精神的にも限界すれすれだった事を覚えております。仕上がり具合は、発想・集中度に欠けていたため、デザイン・カット・磨き具合共に自分自身、納得いかない部分がいくつかありました。制作では、最初に決めていたデザインがまったくそのまま最後までいくという事はほとんどありません。経験によりある程度の読みは予想できますが、ある部分を切り込みを入れてみてはじめてガラスの映り込みや色のバランス・文様の大きさが変わってきます。これがおもしろさ、または難しさでもあると思います。切子花器 「みなわ 」は、薩摩ガラス工芸での良い経験をさせて頂いた最後の個人作となり、思い出としてまだ未熟な自分自身の心の励みのひとつにしております。
                                           2005 . 5 . 17                                          




島津家 薩摩切子(薩摩ガラス工芸)にて修業時代の作品

                                       ※下記の作品は非売品でございます
1993  切子花器 1994  切子小鉢「 響 」


1994  切子小鉢「 採光 」 1995 切子デザートトレー「 星雲 」


1995  切子酒器珍味揃「 涼物語 」 1996 切子一輪挿し「 はつが 」
φ 70×H180


1996  切子盛皿「 木の葉 」 1996  切子鉢揃「 欒 」


1997  切子鉢「 浅葱 」 1997  切子二段重「 葉生う 」
φ 200×H175


1998  切子花器「 みなわ 」
φ 220×H320







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